【経営者、経営者になりたい方必見】問題のある社員の解雇を行うために必要なこと、注意点をまとめました!  

 

皆さん、こんにちは、にゃすじと申します!

 

本日は、経営者、経営者になりたいと考えている方に向けて、

問題のある社員を解雇するために必要なこと、注意点をまとめてみました!!

(今回のお話は、「正社員の解雇を行う」という前提で話をしていきます。)

 

 

 解雇について

 

まず、「解雇」とは使用者による労働契約の解約である。また民法においては、いつでも解約の申し込みを成すことができ、雇用は解約の申し込みの後2週間の経過によって終了する。(民法627条1項)

 

とされています。

 

これは、2週間前に予告しておけば、経営者は労働者をいつでも解雇することができる

ということを意味しています。

 

ここで注意しておかなければならないのは、民法の規定と労働基準法の規定とではこの解雇に必要な日数が異なるという点です

 

労働基準法の規定では、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない経営者は30日分の賃金を支払わなければならない

とされています。

 

 

ですので、基本的な理解としては、解雇する前の30日前に労働者に解雇の予告をする。または、30日分の賃金を支払うことによって労働者を解雇することができます。

(天災事変や事業の継続が不可能となった場合、また労働者に責任がある場合、にはこれらの措置なしに解雇することができるとされていますが後ほど詳しく解説します。)

 

 

では労働者の解雇を行うのには、30日の期間さえあればいいのか、簡単じゃないか、と思う方も多いかもしれません

しかしながら、そうは問屋が卸さないのが日本の法律なのです、、、

 

解雇の注意点

 

ここで問題になってくるのが、労働契約法という法律の中の解雇濫用法理という考えかたなのです。

 

これを明文化した規定が労働契約法16条に示されており、解雇は客観的に合理的な理由を書き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして無効とする。

と定められています。

客観的に「合理的な理由」、「社会通念上相当」なんて言われてもよくわからないことだらけなのですが、ものすごく簡単に言うと

理由のない解雇は労働者にとって不利益だからだめだよ。ということになります。

ではどういうことがその理由になるのか見ていきましょう。

 

1つ目の理由としては、労働者の労務提供の不能、労働能力、適格性の欠如、喪失があります。

具体的には、怪我や障害のために働けなくなったり、勤務成績が著しく悪い、また経歴の詐称などの事象が上げられます。

 

 

2つ目の理由としては、労働者の職場規律の違反があります。

これは、会社内で定められている規定に違反して、遅刻を繰り返したり、業務の命令に背いたりといったことが上げられます。

 

 

3つ目の理由としては、経営上の必要性に基づく理由であります。

これはわかりやすくて、経営不振などに基づく人員整理や、会社の解散といったことが上げられます。

 

では、タイトルのように素行や問題のある社員の解雇を行うためには理由1の労働能力の欠如か理由2の職場規律の違反に当てはまっているかを考えていかなくてはいけません。

 

モデルケースで見ていきましょう。

 

30代会社員Aさん

総合職で入社し、総務課に配属。

遅刻は年に数回、コミュニケーション能力が不足し、女性社員達から問題視の声も上がっています。また、労働能力も不足しており、上司の支持にもあまり従いません。

 

 

このような人を解雇することができると皆さん思いますか?

心情的には解雇されて当然とお考えになる人が多いのではないでしょうか。

 

しかしながら、今の日本の法律では、このような社員であっても解雇を行うことは難しいとされています。

 

 

このモデルケースは過去の判例を参考にさせて頂いたのですが、このような社員に対してであっても、会社は解雇を行うことはできない。と判示されています。

能力も足りておらず、勤務態度も悪いということで、理由1理由2に当てはまっており、解雇が認められるような気もすると思うのですが、

 

なぜ解雇が行えなかったのかというと、会社は

解雇回避行動

を行っていなかったと見なされたのです。

 

 

この解雇回避行動というものは、たとえ問題のある社員であっても、解雇というのは最終手段であるから、会社はそれを回避するために手をつくさなければならない。と言う考え方からきており、具体的に配置転換や業務訓練などが当てはまります。

今回のモデルケースでは、上司は仕事のやり方なども教えていたものの、その程度では業務訓練を行ったと見なされず、また配置転換に関しても、仕事のできないAをどこの部署へやっても無駄だという考えから、配置転換も行いませんでした。

そのため、裁判所に手を尽くしていないと見なされ、解雇が無効と判事されてしまったのです。 

ここまで述べると、なんとなくピンときた方もいらっしゃると思うのですが、

この例を逆に考えて見ると、手を尽くしたけど駄目だったよ、ということさえ言えていれば解雇は認められたということになります。

 

ですので、上記の会社は配置転換と業務訓練という解雇回避行動を行っていれば、問題は無かったのです。

 

この解雇回避行動というものは、一端「問題のある社員だな」と思ったら、行っていない経営者の方が多く、そのため裁判にて解雇が認められない。といった事象が多くみられます。

 

ですので、問題のある社員を解雇したいと考えている経営者の方々はこの

  

解雇回避行動

 

というものを解雇を行う前に必ず行うようにしてください。

 

 

(またここからは少し裏話になるのですが、業務訓練や配置転換などは外形的にその認識があればよいとされており、解雇したいと裏で考えており、解雇するためにこれらの行為を行ったとしても、その立証は困難であるため、解雇回避行動を問題なく行ったと

認められるケースが多いです。)

 

 

これを行っていれば、解雇を問題なく行える可能性がぐーんとアップします。 

ですので、これから社員の解雇を検討しておられる経営者の方々は上記の点に注意して社員の解雇に取り組むようにしてください!

 

 

問題のある社員の解雇を行うために必要なこと、注意点をまとめてみました。

 

問題のある社員が労働組合に駆け込んだ場合などにはまた別途の注意点があるのでコメント欄などで質問して頂けると答えさせて頂きます。

 

ではみなさん、see you again!!

 

 

にゃすじ